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迷い・悲しみ・苦しみ・不安… 貴方は、心にどんな荷物を抱えておられるのでしょうか。

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子供への暴力行為について

2018.06.17

近年、メデイアでは児童虐待に関する事件や事故等の報道が多くなりました。

ニュース番組などで、児童虐待に関する報道があった時、番組MCやコメンテーターは
【防ぐ方法は無かったのか】
と言った言葉を必ずというほど口にしているように思います。
そして、子供を死なせてしまった親に対し
【酷いですねぇ】
【考えられない】
【あってはならない事】
そんな言葉が発せられます。

確かに、子供を死なせてしまう事は酷い事で、あってはならない事ではあるのですが、今現在、子供に辛く当たってしまう自身の行為が止められず、その事に悩み苦しんでおられる方にとって、そう言った言葉は、より一層に心を追い詰める言葉になっていないだろうかと危惧しています。

心理の専門家のコメントは
【子供を虐待する親も又、子供の頃に親から虐待を受けている場合が多い】
という分析をするのみで終わる事も多く、そんな分析だけでは、その事に悩んでおられる方にとって救いになるものではありませんし、どうにもならないという風に絶望を与えたり、これから子供を得ようとする方に恐れを抱かせるのではないかと思い、どんな想いで報道を観ておられるのだろうかと考えることが多くあります。

確かに、親から虐待を受けて来られた方が、子供に同じ虐待をしてしまわれる場合が多くあります。
でもそれは、悲しみや苦しみが親から子へ引き継がれてしまっているだけで、必ず引き継がれるといったものでは有りませんし、決してDNAなどが問題ではありません。

以前にお越しになった方の中で、結婚した息子が自分の妻に対し行っている行為が、夫と同じである事に悩まれ
【私は夫の血を引く悪魔を生んでしまったのですか】
とお尋ねになった方がおられました。

世の中には、人の非道な行為は親の血やDNAに組み込まれ遺伝するような印象を持っておられる方も多いのですが、決してそうではないのです。
産まれた時は皆、無垢で心は真っ白な状態であって、産まれたときから残虐で非道な人格を持って生まれる人間などいません。

親から子に引き継がれてしまうのは残忍な心とか、そういった人間性といった事ではなく、悲しみや寂しさが引き継がれてしまっているだけでしかないのです。

親に虐待された幼少期の記憶に伴う辛く悲しい想いや、親への怒りや憎しみなどの感情を心に残しておられる事が心の余裕を奪い、何か心に刺激を受けた際に、その想いや感情が吹き出してしまうといった心理現象が生じているだけでしかありません。

全ては、当時の悲しかった想いを癒せていない事が原因でしかないのです。
その為、親から引き継いでしまった悲しみや寂しさの連鎖を止めるのは、過去の心の痛みを癒す事でしかありません。

子供に辛く当たってしまう言動や行動を、自制心や忍耐力で抑えようとしたり、気をそらす方法を考える事は、過去の苦しみを心に抑え込んでおられる方にとって、尚一層に我慢や忍耐を虐げる事でもあり、大変な苦痛を伴うと思いますし、人の心は耐えられる限界があるのです。

親から辛い仕打ちを受けて来られた方は、親に愛され、認められ、受け容れられる感覚を得られず、寂しさや悲しみを抱えておられたと思います。
その満たされない心を満たす為に、自分で自分を愛し、認め、受け容れる作業が必要になります。
それには、我慢や忍耐を要するものではなく、心に癒しや安らぎ・解放感を与えるものでしかありません。

心が満たされている人は大らかに物事を受け取り、些細な出来事や些細な言葉で怒りを抱くと言ったことなどはありませんし、心を満たす程に、些細な出来事で苛立つ事は無くなっていくものなのです。

児童虐待防止法が制定され、市民には虐待の疑いがある場合には速やかに児童相談所等に通報する義務も課せられ、そういった法律が、子供への暴力行為に悩んでおられる方を誰にも相談できない状態に追い詰めてしまっているのではないかと思います。

今、無料の相談窓口への相談件数が増加しているとは言え、子供への暴言や暴力について、カウンセリングにお越しになる方は皆無に等しいのが現状です。

その原因には、社会全体が子供を被害から守る事に意識が高く、親への否定的な意識が高い事も起因しているのではないかと思います。
その為、匿名で相談窓口に電話する事しか出来ず、カウンセリングを受ける事に恐れを抱いておられるのではないかと、そんな風に感じています。

でも、匿名で相談出来る相談窓口は、あくまでも聞き上手な方が穏やかに話を聞いて下さるのみで、その行為を解消させる為のカウンセリングではありませんし、相談窓口も子供を保護する事が優先ですので、子供への接し方を伝えたりされる事も多くあります。
【〜してあげて下さい】
【〜と声をかけてあげて下さい】
それが出来ずに悩んでおられる方は、そんな言葉に辛く感じてしまわれる事もあります。

怪我や病気で子供を病院に連れて行った際に、医師が虐待を疑った場合には必ず警察に通報されますし、つい苛立って突き飛ばすなどして怪我をさせてしまったりなどしたら、病院に連れて行きたくても怖くて連れて行けなくなるだろうと思います。

医師にとっては、子供が患者であり、その患者を守る事が医師の使命でもある為、虐待の恐れがあれば通報して患者を守る立場にいるのですが、私達カウンセラーは相談者を守る事が私達の使命です。
その為、カウンセラーは相談者の方の話を聞いて、それで通報すると行った事はしませんし、世の中でカウンセリングが唯一、相談に来られた方の心を守る事だけに徹する場なのだと思います。

私達の仕事は目の前の方の抱えておられる問題を解消する為のサポート役です。
相談に来て下さった方が、どんなに酷い暴力を振るっておられたとしても、ご自身の暴力行為を止めたくて相談に来て下さるのですから、その方の心を癒して頂く事がカウンセラーの仕事ですし、児童相談所や警察へ通報するという事は、カウンセラーにとって自分の役目や使命を放棄するという事でもあるのです。

極端な例を上げるとすれば、相談者の方が犯罪行為を告白されたり、犯罪計画を口にされたとしても、通報する事は致しません。
その方がそれを口にされるという事は、その事について悩みや迷いを持っておられるからでしかありませんし、その悩みや迷いを解消して頂く為のサポートに徹するのが私達の仕事なのです。

カウンセラーも一市民ではありますが、市民である前に、その方の心をサポートする役目を担っていますし、カウンセリングはその為に雇われた時間でもありますから、もしも過剰な暴力行為を行っておられるなら、一日も早くその行為が治まるよう心を癒して頂けるよう全力で、その方の心のサポートに徹します。
その為、カウンセリングの中には市民の義務といったものはなく、全て守秘義務で守り通すのが私達の仕事です。

カウンセリングを受ける事を怖がらないで頂きたいと思います。

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